和骨董大辞典

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楽焼(らくやき)

楽焼は茶道において「一楽・二萩・三唐津」と言われ、多く用いられてきた陶器の1つです。

ろくろを使わず、成形にはヘラと手だけを用いる「手づくね」という方法で制作されます。見た目は白釉以外に、赤と黒の釉薬が用いられることが特徴です。これらはそれぞれ赤楽、黒楽と呼ばれています。

 

 

☆赤楽

豊臣秀吉が建てた聚楽第の近くで採取された、と言われる黄土を陶土とし、焼成温度としては低温とされる約800℃で焼かれるものです。

赤みを帯びた焼き上がりとなり、透明な釉薬をかけて作られました。秀吉は黒楽でなく赤楽を好んだと言われています。

 

☆黒楽

黒楽は赤楽と異なり、1000℃を超える高温で焼かれます。賀茂川石という石を原料にした黒い釉薬が用いられており、この釉に含まれる鉄分と、焼き上げた後すぐに窯から出すという2つの特徴を合わせた「引出し黒」の技法で独特の黒色を表現します。

黒一色の見た目は侘び茶の世界になじむということで、千利休をはじめ特に広く親しまれました。

 

 

 

楽焼の始まりは安土桃山時代に遡ります。聚楽第の瓦を制作していた阿米也(あめや)という唐人が利休に学び、その子長次郎が楽焼の基礎を完成させたと言われています。その技術の起源は中国で明時代に発生した三彩陶だといわれ、京都にも伝わっていたこの技法を元に、楽焼は誕生しました。

完成した当初は「今焼」と呼ばれていたようですが、聚楽第に住んだ千利休に用いられたことから、後に「聚楽焼き茶碗」「聚楽焼き」「楽焼」と名称は変化していきました。

 

さらに、その後長次郎の姓も「樂」となり、以来楽焼は楽家によって代々受け継がれています。ちなみに、現在楽家は十五代目となると共に、「楽焼」という言葉は楽家が焼成したものに限らず技法の一種の名前としても知られています。

 

 

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