東洋骨董大辞典

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中国陶磁器2【青磁】

中国の青磁

 

 

中国で青磁の技術が確立されたのは、1世紀から3世紀頃、後漢の時代だと考えられています。はじまりは紀元前13~14世紀頃に焼かれていた灰釉陶器で、燃料の薪が降りかかることで出来上がるこの灰釉から、不純物や焼き上がりのムラを取り除くよう改良を重ね、美しい緑や青色の発色を可能にしたものが『青磁釉』と呼ばれるようになりました。

 

青磁は徐々に中国の各地で生産されるようになっていきましたが、国内でこれほどまでに人気があったのにはいくつかの理由があります。

その1つは、中国で緑色は徳の高い、聖人や君子が身に付ける色であったという点です。翡翠色が珍重されていた中国では、その色は徳の源だとも言われ、翡翠色に非常に近い青磁が開発されると、貴族などの上流階級には好んで使われるようになりました。

また9世紀後半、唐の時代には、青磁に煎茶を注ぐとお茶の色が映えると伝えられ、文化人や王侯貴族の間で青磁の茶碗が流行します。それ以後も各地の窯が様々な色合いの青磁釉を開発したと共に、交通手段の発達により、中国の青磁は世界中で親しまれています。

 

 

 

ここでは中国青磁を生産した窯の中から、いくつかを簡単にご紹介します。

 

 

☆越州窯

淡く澄んだ黄緑色の青磁釉を使った青磁を生産しました。その美しさと、宝物として出土した中に「瓷秘色」の文字があったことなどから、その色合いは『秘色』と言い表されています。

 

☆耀州窯

オリーブグリーン色の青磁と、比較的深く彫られた彫刻が特徴です。彫刻の彫り部分に釉薬が溜まることで陰影が出来、立体感のある模様が表されます。

 

☆龍泉耀

越州窯が衰退したのちに栄えたと言われ、透明感のある深い緑色の釉薬が使われている作品が多く見られます。器全体に細かな彫刻が施され、国内外向けに大量に生産されました。

 

☆汝官窯

緑色を帯びた青色の青磁を生産しました。雨上がりに雲間から見える空の色、を再現したと言われ、『天青色』と言い表されています。

 

 

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