20世紀に活躍した、江蘇省出身の書画家です。中国国内の美術学校で学んだ後に、22歳の頃フランスへと渡り、パリ高等美術学校に入学しました。まもなくしてベルギーへも渡り、ブリュッセル王立アカデミーで彫刻や油彩を学び、ベルギー王立美術学校では西洋絵画の技術を研究したのち、帰国しています。
留学中と、帰国後しばらくは油彩画を描いていましたが、その技術を吸収して中国画に活かしていくという意志は強く、40代になると自身の経験なども踏まえた上での独自のタッチで中国画を描き始めました。
作品の主題には、フランス・ベルギーからの帰国後に周ったチベット高原に影響されたものが多く、広い平原やそこに佇むラクダやチベット牛、またはパンダや金魚などが特に描かれています。自身の制作活動を続けながら、呉作人は中央美術学院院長や中国美術家協会副主席などを歴任し、後進の育成に尽力しました。
清代末期の画家である徐悲鴻にも続く、近代中国美術の中心人物の一人として知られています。