東洋骨董大辞典

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哥窯(がよう・かよう)

中国の浙江省、龍泉県で活動していた窯です。主に青磁を生産しており、「哥窯」の他にも「哥哥窯」、または「華夏鈞窯(かかきんよう)」とも呼ばれます。

哥窯の作品はこげ茶色の胎土に灰白色の青磁釉が分厚く施されますが、この釉薬には灰青釉、月白釉などいくつかの種類があります。代表的な特徴としては、器が薄く形成されている点、そして作品全体に貫入が入っている点が挙げられ、また中国では「紫口鉄足」と言われるように、口縁部と高台の露胎部分が黒く見えることも特徴の一つです。

 

 

 

哥窯の伝説

 

 

哥窯の作品の特徴として挙げられる器全体に入った貫入ですが、これが出来上がった由来について、明時代の文献『浙江通志』に、ある兄弟の伝説が残っています。

 

南宋の時代、龍泉県に章生一と章生二という陶工の兄弟がおり、弟の生二が評判の高かった兄の生一の窯の偵察に行きます。しかし、生一の窯はまだ焼成中で、中にまだ完全に焼きあがっていない器がある状態で生二が窯を覗いてしまいます。そのせいで窯の中では急激な温度変化が起き、焼いていた作品はヒビだらけ、つまり全体が貫入だらけの状態で焼きあがりました。

 

これを見た生一はそのヒビに味わいを感じ再現に努め、技術を確立した生一の窯は更なる人気を博したのです。やがて修行を重ねた生二は「龍泉窯」を築き、生一の窯は中国語で兄を意味する「哥」の字から「哥窯」と名付けられました。

 

 

この伝説が実話かどうかは定かではありませんが、温度変化によって多数の貫入ができたという発見、そして同じ龍泉の土地に同名の窯があることなど、説得力の高さも感じられます。

哥窯と断定できる窯跡が未だ見つかっていない為、不明な点が多い窯ですが、中国の五大名窯として挙げられる哥窯の作品は日本でも高い人気を誇っています。

 

 

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