東洋骨董大辞典

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白建窯(はくけんよう)

中国の福建省徳化県を中心に活動していた窯で、「徳化窯」「福窯」とも呼ばれています。明と清の時代には盛んに生産が行われ、日本にも伝わった作品は「白南京」や「白高麗」と呼ばれ人気を得ました。

 

煎茶器や文房具、香炉などのほか、観音や布袋、羅漢、達磨などの仏像が白磁で作られ、この白磁の玉のような白さと輝きが白建窯の作品の大きな特徴です。

また、器は、地は厚いものの透かして見ると向こうの指が見えるような作りになっており、貫入は一切入っていません。像も、釉薬による美しい光沢と象牙のような柔らかな乳白色が見て取れ、これは徳化県で採れた粒子が細かく、粘りのある胎土によるものだと考えられています。

 

最盛期には国外にも多く輸出され、フランスでは中国の白を意味する「ブラン・ド・シーヌ」、欧州では「マルコポーロ・ウエア」と呼ばれ室内装飾、あるいはシュガーポットやコーヒーカップなどの食器として好まれました。特に中国の対岸にあった台湾には盛んに輸出を行っていたようですが、清時代の末頃、台湾が日本と合併してからは主要販路を失い、白建窯は衰退していったと言われています。

 

窯は途絶えてしまっていますが、現在でも白建窯の作品はその希少価値と品質の高さから、根強い人気があります。

 

 

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