東洋骨董大辞典

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李鱓(りせん)

17世紀後半から18世紀中頃にかけて画家として活躍しました。江蘇省の出身で、号は中洋や復堂、木頭老子、懊道人などと称し、そのほかにも墨磨人、裏善、苦李など多くの号を持っています。

25歳のときに科挙の受験資格を得ましたが、皇太后に献上した自身の書画が皇帝の目にとまり、宮廷画員として絵を学ぶように命ぜられました。宮廷画家の蒋廷錫に師事し花鳥画を学ぶとやがて皇帝に絵を教えるまでとなりましたが、伝統を強く重んじる宮廷の画風に親しめず、帰郷して自身の作品を売りながら生活したと言われています。

 

辞職後、李鱓は同時期に活躍した画家・高其佩に絵を学ぶ機会を得ており、緻密な画風で竹や石、花卉画などを描きました。しかし晩年になるにつれ、活き活きとした大胆な画風への変化がみられ、清時代末の花鳥画に影響を与えました。李鱓の作品は大きな人気を博し、当時の代表的な画家を称した『揚州八怪』にも挙げられています。

また書にも優れ、唐時代の書家・柳公権や顔真卿の作品から学んだ技法で、大きく快活な書法を確立しました。

 

 

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