17世紀中頃から18世紀初頭にかけて、画人として活躍しました。号は清湘陳人・小乗客・苦瓜和尚・大滌子・瞎尊者などと記しています。
石涛は明時代の王室の末裔にあたり、家督争いや時代の変遷による混乱から逃れる為、幼少期に仏門に入っています。出家してからは古典や書、絵を学び、各地を漫遊しながら書画を嗜みました。
明時代は伝統に重きを置いたが故に、文人画の流派による束縛が非常に強く、自由な制作が適わない時期がありました。しかし石涛は僧として各地の寺や城を回る中で多くの文化人と交流し、それまでの拘りを一掃する自由な画風を確立しています。40になる頃には支援者も付き、禅僧の立場を捨て画家となりました。
作品には花鳥画、人物画も見られますが特に見事なのは山水画で、写実主義的な繊細な筆跡と墨の濃淡、そして的確な色彩表現が特徴的です。