東洋骨董大辞典

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楊峴(ようけん)

19世紀に活躍した書家です。浙江省の出身で、号は遅鴻残叟や藐翁、庸斎と称していました。10代の頃から科挙の受験資格を得るため勉学に励み、36歳のときに資格を得ましたが、太平天国の乱の最中に家や子を失い、官職となることは一時諦めています。

 

しかし50代後半の頃に、李鴻章の秘書から江蘇省のいくつかの地域で知事となり、職務に尽力しました。知事としては60代半ばの頃まで務め、その後は江蘇省内の蘇州で隠遁生活を送り、詩や古文、書に打ち込んでいます。

特に、書の中でも33歳から習っていたといわれる隷書に優れており、若い頃から研究を重ね、晩年には自身の作風を確立しました。筆致のうねりや軋みが特徴的で、日本国内では現在でも刊行されている『読売新聞』の題字を担当したことで知られています。そのほか経学の研究や詩文の制作にも優れており、著書には『遅鴻軒文棄』や『遅鴻軒詩棄』などがあります。

 

 

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