17世紀に活躍した小説家、あるいは劇作家です。江蘇省の出身で、号は覚世裨官や湖上笠翁、随庵主人などと称しています。医師を営む家庭で育ち、幼少の頃より優秀でしたが、明時代末の科挙に幾度か落選し、その後新たに確立した清王朝には難色を示していたため、生涯を文人として過ごしました。
若くして父を失い、王朝の過渡期には貧しさに苦しむこととなりましたが、小説や詩文、戯曲などには非凡な才能を発揮しています。特に劇作家として名を広めており、代表作には『笠翁十種曲』や『風箏誤』、詩文などの著書では『閒情(かんじょう)偶奇』、小説では『覚世名言十二楼』、また中国の古典的な性愛文学『肉蒲団』の作者であるとも言われています。
また、江戸時代には李漁の作品が日本にも伝えられ、当時の浮世草子・人形浄瑠璃作者の井原西鶴にも影響を与えました。