東洋骨董大辞典

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張琦(ちょうき)

生没年ははっきりしていませんが、明時代末期から清時代初頭にかけて活躍した画家です。浙江省の出身で、明時代後期に肖像画家として活躍した曽鯨に師事しました。そのことから張琦も肖像画を最も得意とし、故郷では張琦に並ぶものはいないと絶賛されていたといいます。

 

同時代に活躍した禅僧の費隠通容を崇信し、張琦の描いた肖像『費隠通容像』は1654年に禅僧・隠元の手で日本に伝えられました。この作品は黄檗宗の僧によってもたらされた黄檗美術の内、僧侶の肖像画を指す「黄檗画像」の始原となっています。

 

そのほかにも多くの禅僧、また文人たちの肖像を手がけ、江蘇省と福建省を併せた一帯で活躍した「波臣派」の重要人物とされていますが、現代にまで残る作品はかなり少ないといわれています。

 

 

 

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