東洋骨董大辞典

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中国陶磁器3【白磁】

中国の白磁

 

 

中国で白磁の技術は6世紀の頃から、青磁の技術と共に発展しました。白磁は青磁の素地に、鉄分を除いた釉薬を掛けて高温焼成することで完成しますが、この技術が確立したのは8世紀末、河北省の邢窯(邢州窯)でのことです。

 

生産が本格化すると邢窯は南の越窯(越州窯)の青磁と並び『南青北白』と称され、その技術を受け継いだ定窯では彫刻などの装飾技術が加わります。やがて技術や文化の成長と共に、中国の白磁は国内で流通するだけでなく、白を尊んだモンゴル系の一族や、ヨーロッパの王侯貴族たち、日本では有田焼のルーツともなり、世界中で親しまれていきました。

特にヨーロッパではシノワズリーの流行と共に、景徳鎮窯の作品の絵付け技術や白建窯の白磁の白さが絶賛され、中国産の白磁はほぼ金と同等に扱われただけでなく、ヨーロッパにおける白磁生産のきっかけともなっています。

 

 

 

ここでは中国で白磁を生産した窯をいくつかご紹介します。

 

 

☆定窯(ていよう)

粘り強い陶土を用いた、象牙色の白磁が特徴です。これは窯の周辺が石灰の産地であったことが大きく関係しており、窯の燃料にも石灰が使われていたためだと言われています。

刻花や印花などの装飾技術を駆使し作品を造り、北宋時代後期まで宮廷の窯「官窯」として活躍しました。唐の時代に築かれこの頃から白磁の輸出が始まり、定窯の作品と思われる白磁は東南アジアでも多く見つかっています。

 

 

☆景徳鎮窯(けいとくちんよう)

白磁は青磁の素地に鉄分を除いた釉薬を使用して制作する、という点は前述しましたが、景徳鎮窯の作品は土にも釉薬にも鉄分がわずかに残った状態で使用され、そのために青味のある白磁を生産しました。

この青味による陰影を装飾に巧みに活かした作品は宋の時代、「影青(いんちん)」と呼ばれ人気を得ます。やがて元の時代には、景徳鎮窯は白磁の生産を独占するまでとなり、カオリンが豊富に採れた高嶺山の磁石を用いた白磁の改良が進みました。純白の白磁が出来上がると、明の時代にはヨーロッパへの輸出も始まり、景徳鎮窯の作品に描かれていた図柄がモチーフとなった模様『ブルーオニオン』は、現在でも洋食器の伝統的な模様として知られています。

 

 

☆白建窯(徳化窯、福窯)

貫入の無い、真っ白な白磁が特徴です。細かく、粒子の細かい胎土が用いられ、象牙のように柔らかな質感の見た目になります。観音像などが有名ですが、器類はヨーロッパにも多く輸出され、非常に高値で取引されただけでなく、王侯貴族の宮殿にはこの徳化窯の作品を多く展示した『磁器の間』という部屋も出来上がりました。

 

 

 

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