東洋骨董大辞典

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弘仁(こうじん)

17世紀に画僧として活躍しました。安徽省の出身で、号は漸江や漸江学人と称しています。明時代に科挙試験の受験資格を得、その後官職に就きましたが、30代半ばの頃には政権が崩壊しました。これを受け弘仁は古航禅師の道舟の元で出家し、以来修行の傍らで詩作や絵の修練を行っていきます。道舟のいた武夷山には数年滞在し、その後は故郷にある太平興国寺、また五明寺に移ったほか、南京や杭州にも訪れました。この間には梅清や石濤といった画家たちとも交流を深めています。

 

作品は元時代の画家の倪瓚や黄公望の作品から学んだところが多く、山水や竹、梅花を主題としたほか、特に黄山の景勝をよく描いたことで知られています。また、当時盛んだった「徽派版画」と呼ばれる、精細な技法を駆使した木版画にも少なからず影響を受けたようで、作品は明瞭で清々しい雰囲気の画風が特徴です。

 

書においては唐時代の顔真卿や元末の倪瓚の作品から学び、楷書や行書をよく書きました。

新安派の祖と言われ、ほかにも「新安四大家」や「四大名僧」、「明末三高僧」の1人としてそれぞれ名が挙がり、その才能は高く評価されています。

 

 

 

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