明時代の後期(16世紀~17世紀中頃)に活躍したと言われる文人画家です。江蘇省の出身で、号は仰懐や仰槐と称しています。1574年に科挙試験に及第し、絵の技法は宋時代の画家・董源の作品から学んだと言われています。
作品は精緻な筆致が特徴的で、題材には山水や人物を取り上げていましたが、中でも明時代末頃に流行したとみられる奇想的な造形で描かれた山水画は高い人気を博しています。奇想派と呼ばれる流派の中でも造形・色彩感覚に優れた李士達の作品は当時、かなりの大金を出しても手に入らないと言われていました。
代表作のひとつである『竹裡泉声図』は、重要文化財として東京国立博物館に所蔵されています。