正確な生没年は分かっていませんが、18世紀から19世紀にかけて活躍した書家です。江西省の出身で、号は春湖と称していました。20代半ばの頃にはすでに科挙試験に及第していたとされており、官職に就いてからは教育や学務に携わる学政や、公共事業などを司る工部にて役職を担っています。
一方で、李宋瀚は金石の収集にも秀でており、その所蔵作品の中でも特に有名だったのは『善才寺碑』、『啓法寺碑』、『孟法師碑』、『孔子廟堂碑』でした。これらは、一般的に「臨川四宝」と呼ばれる孤本(その一冊のみ伝わった本)とされており、李宋瀚の収蔵家としての位置づけを示すものとして有名です。
書においては唐時代の書家・虞世南の作品に学んだとみられる行書や楷書を得意としています。当時名を馳せた書家の劉墉や程恩沢と並んで「一石二水」としてその腕の素晴らしさが広められました。