東洋骨董大辞典

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李東陽(りとうよう)

15世紀中頃から16世紀前半にかけて活躍した文人、または政治家です。湖南省の出身で、号は西涯と称しました。幼い頃から「神童」と呼ばれるほどの才能を持ち、5歳前後の頃には当時の皇帝を前に大字を書いたり、尚書を講じるなどして称賛されています。

やがて17歳で科挙試験に及第すると官職に就き多くの要職を歴任し、同時代の沈周と並び当時の代表的な文人の一人として挙げられました。しかし、宰相の職に就いていた際、劉瑾という宦官が起こした横暴に厳しい態度を取らなかったため、媚びたと見なされ名声を落としたと言われています。

 

文学史においては「茶陵派」の祖として著名で、唐時代から宋時代の8人の優れた文人たちをさす『唐宋八大家』の文を最良とする新たな流派を起こしました。また詩においては「格」と呼ばれる視覚的要素と「調」と呼ばれる聴覚的要素を意識した韻律の法則を重視し、これを「格調説」と呼んで明時代を先導する道を開拓しています。

 

書については幅広い書体を得意としましたが、中でも篆書や隷書が高く評価されています。初期は13~14世紀に活躍した文人の趙孟頫や鄧文原、晩年は中国の書家として名高い顔真卿の作品から画法を学び、徐々に自身の作風を確立して行きました。

 

 

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