16世紀から17世紀にかけて活躍した書画家です。安徽省の出身で、号は檀園や香海、滄庵、慎娯居士などと称していました。31歳のときに科挙の試験資格を得ますが、科挙には及第することなく、生涯書画や詩文に没頭して官職に就くことは無かったと言われています。
李流芳は様々な分野において優れた才能を発揮しており、詩においては同時代に活躍した婁堅や程嘉燧、唐時升と並んで『嘉定の四君子』と称えられ、4人の作品を編纂した『嘉定四先生集』が出版されました。また、書は北宋時代の書家・蘇軾の作品からよく学び、優雅な書風の行書が特徴的です。中でも最も優れていたといわれるのは絵であり、元時代の画家・呉鎮や倪瓚の作品を研究した独特な山水画を多く描きました。董其昌や王鑑らと併せ、明時代から清時代に活躍した9人の画家をさす『画中九友』に挙げられています。