15世紀に活躍した画家です。広東省の出身で、絵は画家の顔宗や何寅于より山水画や人物画を学んだと言われています。のちには明王朝の宮廷画家として活躍し、当初は工部営繕所丞とよばれる官職に就いていましたが、その腕を認められたため推薦を受け、やがて画院に入りました。
作品は山水画と人物画を学んだものの、最も得意としていたのは花鳥画であり、中でも孔雀や鵜、鷹などを描いた花鳥画が高い評価を得ています。同時代に活躍した呂紀が勾勒填彩(こうろくてんさい)と呼ばれる画法を駆使した鮮やかな色使いの花鳥画を得意としたのに対し、林良は水墨画で、独特の荒っぽい筆致を駆使して花鳥を描いたことで高く評価されました。花鳥画以外にも草木を描いたものや、絵のほかに詩にも優れた才能があったと言われています。