16世紀に活躍した書家、または文人画家です。上海の出身で、号は後明あるいは秋水と称しています。父は高級官僚でありながら書にも優れた莫如忠であり、莫是龍自身は14歳の時には科挙の受験資格を得ていましたが、最期まで科挙に及第することは叶いませんでした。
しかしながら詩や書画に優れ、書においては当時の政治家、王世貞に絶賛されたと言われています。
絵においては元時代の水墨画家である黄公望の作品から学び、そのほか文徴明などの影響も見られます。同時代に活躍した董其昌には技法を教授したほか、松江派を確立し先進的芸術活動の中心的なメンバーとして共に奔走しました。