19世紀末から20世紀半ばに活躍した甲骨学者です。河南省の生まれで、号は平廬と称していました。北京大学の卒業後、33歳のときには中央研究院歴史語言研究所の研究員となり、考古学者の李済と協力し、安陽小屯の殷墟の調査に取り組んでいます。調査は約10年に渡り行われましたが、出土した甲骨の研究に注力し、甲骨文字の様式化や殷時代の暦の復元を試みるなど大きな功績を残しました。
著書「殷暦譜」は出土した甲骨文を読み解き、前述した殷時代の暦法を研究したものを記した書籍で、貧しい中で数少ない資料から編成し、1945年に出版されています。
「殷暦譜」の出版された3年後、董作賓は台湾大学の教授となりました。そのほか、以後の著書に「甲骨学五十年」や「殷墟文字外編」などがあります。