東洋骨董大辞典

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越州窯(えっしゅうよう)

浙江省の東南部で1000年以上、活動していた窯です。中国の代表的な青磁窯として有名で、窯が築かれた地が以前「越国」と呼ばれたことからこの名前が付きました。

越州窯での青磁の誕生は後漢の末頃に遡り、東洋の中でも最古の磁窯といわれています。ちなみに、日本では『古越磁』と呼ばれています。

 

 

 

越州窯の歴史と作風

 

 

越州窯の起源は紀元前500年前後にまでなり、当時から浙江省では陶器を焼成する窯が存在しました。やがて時代が進むにつれて技術も磨かれ、後漢の時代に越州窯で制作されたのが青磁器でした。青磁が焼かれ始めてからは、徐々にその技術が磨かれていくと共に飴釉や黒釉を使った磁器など、多くの作品が造られます。3世紀の末頃には青磁の技術が確立され、唐の時代の陸羽という文筆家が記した茶の知識本『茶経』では、茶碗の中で第一だと称されたことから、越州窯は全国にその名が広まりました。

 

その後一時衰退が見られましたが、9世紀頃に焼き上げられた『秘色』の青磁により、越州窯は再び名を広めます。これは浅緑色の淡く上品な色合いの青磁で、日本にも伝わった為、平安時代の源氏物語や宇津保物語にも登場しました。

 

国外でも高い評価を得、国内でも周辺の窯に多大な影響を与えた越州窯でしたが、時代が流れるにつれて青磁の大量生産をする窯等が現れると、11世紀後半には衰退したと言われています。

 

 

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