東洋骨董大辞典

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鄧石如(とうせきじょ)

18世紀中頃から19世紀初頭にかけて活躍した篆刻家、または書家です。安徽省の出身で、号は完白山人や古浣子などと称していました。貧しい家に生まれたため、科挙に励むことは叶いませんでしたが、博学であった父から多くを学び、幼少期から書や篆刻に親しんでいたといわれています。若い頃は薪や食品を売って生活していましたが、そのうち自作した印も一緒に売り歩くようになったことで当時の著名な書家、梁巘(りょうけん)に才能を見抜かれ、腕を磨いていくこととなります。梁巘は鄧石如を収蔵家の梅鏐に紹介し、その豊富な収蔵作品を基に、30代の頃はひたすら書や篆刻の研究に励みました。

 

やがて梅鏐の家が衰えると、一時期また自作の作品を売り歩く生活に戻りましたが、その作品の素晴らしさにより儒学者や高級官僚、名士などと知り合い、各地でその書画が絶賛されます。最盛期は北京で活動していた時期もありましたが、50代前半の頃には職を辞め、各地を転々とする中で当時28歳であった書論家の包世臣を弟子にとり、晩年を過ごしました。

 

 

書においては鄧石如が清時代の書に与えた影響は非常に大きく、先人たちの書の研究に打ち込んだことで確立した独自の作風は、力強さを失っていたと言われる当時の書の風潮を打開し、伝統的な風格を復活させています。また、篆刻においても当時基礎とされた復古主義を打ち破り、自由な篆刻を活かして確立した独自の作風から、新たな流派『鄧派』を築き、開祖となりました。

 

 

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