17世紀に活躍した儒学者です。江蘇省の名家の出身で、号は亭林と称しました。
明時代末期から清時代にかけて反清運動に加わりましたが、17世紀半ばに滅亡し清が侵入すると、故郷の弟子たちと義勇軍を成して抵抗しています。やがて清朝廷より招聘を受けましたがあくまで明の遺民としての立場を主張したため、処罰を覚悟しながらもそれを拒絶し、その後は長い間定住せず旅を繰り返し、各地で反清活動を続けました。
顧炎武は若い頃から博識で名高く、地理学や言語学、経学など多くの分野に通じていたと言われています。清時代に流浪した最中は同行した馬に多くの資料を乗せ、それらを元にした実地調査を行うなど、生涯研究に勤しみました。
考証学の祖とされると共に、思想家の黄宗羲や王夫之らと併せて、「清初三大儒」と称されています。