東洋骨董大辞典

  • TOP
  • 東洋骨董大辞典

黄士陵(こうしりょう)

19世紀半ばから20世紀前半にかけて活躍した書家、あるいは篆刻家です。安徽省の出身で、号は倦叟や黟山人と称しています。幼い頃から父に学問や篆刻、詩文を学んでいましたが、太平天国の乱の最中に両親を失い、一時は江西省に移り住みました。やがて33歳の時には広東省で書画・篆刻の作品制作を行って活躍し、その才能を認められ、1885年には推薦の下、北京の国子監で学ぶ機会を得ています。この時には金石学者や画家として名を馳せた呉大澂や王懿栄と交流して大きな影響を受けたほか、石鼓文の模刻にも打ち込みました。

 

その後、1887年からは呉大澂と政治家の張之洞が創立した広雅書局に招かれ、そこで14年の間書画や篆刻に打ち込んでいます。やがて55歳の頃には帰郷したと言われています。

 

金石文に詳しかった黄士陵は、中国古代の青銅器に刻まれた文字や六朝時代の石仏に彫られた文字を加え、独特の書法を用いた篆書・楷書などを確立しました。また、絵においては西洋画の画法を交えて描いた作品が有名で、緻密に描かれた古代の青銅器や、花卉画などが残されています。

 

 

買取に関するお問い合わせ

ご相談やご質問など、まずはフリーダイヤルでお気軽にお電話くださいませ。
  • お電話でのお問い合わせはこちら tel:0120-424-030
  • メールでのお問い合わせ