和骨董大辞典

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真珠について

真珠は貝から作られる宝石の一種です。貝類の体内に異物が侵入することで分泌される真珠質が、異物を包み込むことで真珠が作られます。エジプトでは紀元前3200年前から既に知られており、日本でも日本書記や古事記に真珠についての記載があります。また魏志倭人伝には邪馬台国が曹魏に真珠を5000個送ったという記録も残されており、世界各地で古くから親しまれてきました。

 

 

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アコヤ真珠と淡水パール

 

一般に耳にする「本真珠」とはプラスチック等でできた偽物ではない本物の真珠という意味で、ここで紹介するアコヤ真珠と淡水パールもこの本真珠に含まれます。アコヤ真珠と淡水パールの違いはそれが採取された場所にあり、アコヤ真珠は海、淡水パールは湖でとれたものを指します。

 

数種類ある本真珠の中でもアコヤ真珠は最も一般的な真珠で、早くから養殖が盛んであった事もあり、世界中で取引される真珠の大部分が日本産のアコヤ真珠です。ちなみに、この「アコヤ」という名は日本の地名などではなく、アコヤ真珠の採れる「アコヤ貝」という貝の名が由来となっているため、厳密には日本だけでなく中国などでも採取されており、産地や輝きによって価値は異なります。また、アコヤ貝自体が淡水のものと比べると比較的小さく、1つの貝からたった1つしか採る事ができないので、淡水パールよりアコヤ真珠の方が価値は高い傾向にあります。その中でもさらに真円に近いものや傷のない厳選されたものは「花珠」と呼ばれています。

 

一方で淡水パールは、アコヤ真珠に比べて低価格で取引されています。理由としては、淡水パールを生むための母貝がアコヤ貝よりも大きく、1つの貝から複数の真珠を養殖できる点、また比較的早く真珠を形成することができる点があげられますが、淡水パールは真珠層が厚い傾向があるため、あえて淡水パールを選ぶ方も多いようです。

 

 

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採取した真珠の質や希少性により2種類の真珠に違いはありますが、アコヤ真珠も淡水パールも、真円に近く傷がない真珠はどちらも高額で取引されています。

 

 

 

本真珠の種類

 

上記の2種類の真珠がどちらも「本真珠」に区別されることは紹介しましたが、大きく分けて本真珠には6つの種類があります。ここではアコヤ真珠と淡水パール以外の4種を紹介します。

 

 

黒蝶真珠 (タヒチ黒蝶真珠、黒真珠)

黒蝶貝から採れる、1020mmほどの真珠です。タヒチ近海で採れるものが大部分を占め、色は淡い輝きを含む漆黒からシルバーをベースに、ブルー・グリーン・レッド・ブラウン系など様々です。

 

白蝶真珠 (南洋白蝶真珠、南洋珠)

白蝶貝から採れる真珠で、多くが10mm以上の大きさになります。オーストラリア、インドネシア、マレーシアなど水温の高い熱帯の海で採取されます。色は白・ピンク・クリーム、そして金・銀など様々で、金色のものは「ゴールドクリップ」と呼ばれています。

また、白蝶貝自体が数少ないため、白蝶真珠は黒蝶真珠よりも高値で取引され、各国王室の冠の中央に使われたことなどから『mother of pearl』とも呼ばれています。

 

マベ真珠 (半形真珠)

マベガイから採れる半形の真珠で、主に台湾・香港・日本では奄美大島で生産されています。貝殻の内面に半円の核を貼り付けて作り出す真珠で、挿入する核を変えると半形以外にもハート形、ドロップ形、三角、四角などの形も作ることができます。

 

コンクパール (コンク真珠)

養殖の難しい、ピンク貝という巻貝から採れる天然真珠です。メキシコ湾一帯やカリブ海で採取され、表面にある炎が燃えるような独特な美しい模様が特徴です。ピンクや黄色、白・茶などの色があり、火炎模様が綺麗に出ているものは特に価値があります。

 

 

 

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