和骨董大辞典

  • TOP
  • 和骨董大辞典

日本の伝統工芸品 金工1

金工~彫金~

 

金工技術を大きく分けると、「鍛金」、「鋳金」、「彫金」の3つの技法に絞ることが出来ます。その中で彫金は、その名の通り金属に鏨(たがね)を使って彫刻を施していく技術で、その技法にもいくつかの種類があります。

 

 

 

ここではその彫金のいくつかの技法について、ご紹介していきます。

 

 

☆片切彫り(かたぎりぼり)

「片切鏨」と言われる先が斜めになった平らな鏨を用いて表現する技法で、筆の動きなどを表す文字や毛筆画などを表現する際に多く使われます。江戸時代から始まったと言われており、筆先の付いた部分を深く、筆の腹の付いた部分を薄く彫るようにデザインされています。

 

 

☆高肉彫り(たかにくぼり)

模様を厚く、高く残す表現技法です。表面から模様部分のみ彫り出す方法と、金属板の裏側から打ち出す方法があり、立体的な模様を表現することができます。ちなみに、薄く仕上げた物は薄肉彫りと呼びます。

 

 

☆肉合彫り(ししあいぼり)

平らな素地の、模様の周囲だけを深く掘り下げ、中の模様を浮き彫にする技法です。この浮き彫り部分は、立体感を持たせるため薄肉彫りのように表現され、江戸時代には煙管入れや刀剣の装飾などに多く用いられました。

 

 

☆鋤彫り(すきぼり)

鋤出彫り(すきだしぼり)、鋤出高彫り(すきだしたかぼり)、などとも呼ばれ、模様だけを高く浮き彫りにする技法です。刃が平らになっている鏨で、模様以外の素地を一段低く掘り下げることで、模様をより引き立たせます。

 

 

☆透し彫り(すかしぼり)

刀の鐔の装飾によく用いられた装飾技法で、金属版を透かし彫りする技法です。この透し彫りには2種類の技法があり、1つが模様を残すように素地を切り透かす「地透し」、もう1つが模様を切り透かして素地を残す「文様透し」となります。

 

 

☆魚々子地(ななこじ)

尖端が丸く、特殊な形になった鏨を打ち込んで完成する技法で、完成すると細かい粒を密集させたような独特の文様が出来上がります。この模様が魚の卵のようにも見えることから「魚々子地」と名付けられたと言われ、このほか「七子」の字をあてられることもあります。

 

 

 

買取に関するお問い合わせ

ご相談やご質問など、まずはフリーダイヤルでお気軽にお電話くださいませ。
  • お電話でのお問い合わせはこちら tel:0120-424-030
  • メールでのお問い合わせ