和骨董大辞典

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日本の伝統工芸品 金工2

金工~象嵌~

 

象嵌(ぞうがん)の文字には象(かたどる)、嵌(はめる)という意味合いがあり、金工や木工で用いられる主な工芸技術の1つです。中でも金工における象嵌はシリアで生まれ、6世紀頃、飛鳥時代に日本に伝来しました。地となる金属に彫りを入れ、くぼんだ部分に別の素材を入れていく技法で、緻密な図柄になるとまるで描いたかのような美しい作品が出来上がります。

 

 

 

ここでは様々な象嵌技法の中から、代表的なものをいくつかご紹介していきます。

 

 

☆平象嵌(ひらぞうがん)

「本象嵌」ともいわれ、江戸時代の初期から象嵌の主要な装飾技法として、多く用いられています。金属を線や平面などに加工し、素地に彫った部分に嵌め込み、素地と同じ高さとなるよう加工する技法です。

 

 

☆布目象嵌(ぬのめぞうがん)

素地に様々な方向から彫りを淹れ、布目のようになった中に、金や銀を嵌め込む技法です。鉄砲の伝来と共に日本にもたらされたと考えられており、京都で繁栄しました。その細かい線で、金工作品では珍しいぼかしを表せる技法です。

 

 

☆高肉象嵌・据物象嵌(たかにくぞうがん・すえものぞうがん)

素材を素地よりも高く嵌め込むため、立体的な装飾が出来る技法です。嵌め込む文様を別に掘り起し、素地の図柄の上に据えることで完成します。

 

 

☆線象嵌(せんぞうがん)

古墳時代の武具などの装飾にも用いられていた最も古い象嵌技法と言われています。細く彫り込んだ部分に、同じく細く線状にした金属を嵌め込むことで完成します。布目象嵌よりも素朴な味わいの感じられる表現技法です。

 

 

☆打ち込み象嵌

紙に書いた図柄を素材に写して切り取り、それを器の地に合わせて接着する技法です。接着した後は金槌で叩いてのめり込ませていきます。布目象嵌や平象嵌と比べ、打ち込んだ素材が地から外れることのない、金工技術です。

 

 

 

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