琥珀とは、樹木が落雷や害虫などで傷つけられることで樹液(樹脂)を分泌し、それが数千万年の時をかけて化石化したものです。そのため、生成の過程で古代の昆虫、葉、花、樹の皮などが自然に入りこんだものも見られ、これは大変希少で学術的にも価値があります。温かみのある手触りとやわらかな輝きで古来より「太陽の石」などと呼ばれて珍重されてきました。
琥珀の性質
☆握ると温かい
琥珀を触ったことがある方なら分かると思いますが、手に取ると柔らかな温かみを感じます。琥珀は樹脂でできている為、熱が伝わりにくく内側にぬくもりを保っていることができるのです。
☆軽く、熱に弱い
琥珀は樹脂が化石化したものにしては硬く、その反面比重がとても軽いので塩水に浮かぶという性質があります。また、熱に弱く150度ほどで柔らかくなり、300度にもなると溶けてしまいます。
☆静電気が起きる
琥珀は表面をこすると静電気を帯びる性質がある為、ギリシャでは「エレクトロン(電気)」と呼ばれます。琥珀が静電気を帯びることが発見されたのは今から500年前のことですが、その遥か昔のギリシャでは、琥珀に羽毛が引き寄せられるのを発見し「琥珀にはものを引き付ける、神秘的で不思議な力が宿っている」と考えられていたそうです。
琥珀の色の種類
琥珀は樹脂の種類、気象条件、環境などにより色の種類が豊富にあります。日本人の肌にとてもなじむ色なので、アジアでも人気がある宝石のひとつです。
ナチュラルアンバー:
琥珀と聞いて思い浮かぶ、定番の色です。
その温かみのある琥珀色は、コニャックカラーとも呼ばれています。
グリーンアンバー:
何となく緑がかった独特な色合いが特徴的な琥珀です。見た目はオリーブのような明るい黄色をしています。光の当たり方で、色や輝きが微妙に変化することからとても高い人気があり、大きなものであればインテリアとしても好評です。
チェリーアンバー:
チェリーアンバーは、高級感のある赤味を帯びた茶色が魅力的な琥珀で、アメリカンチェリーのような色合いをしています。
角度によっては紫色の様に見えることもあり、とても上品で落ち着いた雰囲気を持っています。
バルティックアンバー:
バルティックアンバーはバルト海沿岸で産出される乳白色の琥珀です。
真っ白であればあるほど、時間の経過とともにベージュ色に変化し、その白さの秘密はバルト海の塩分が何万年もかかって蓄積されたためだと考えられています。このような乳白色の琥珀は、ロイヤルアンバーとも言われています。
インセクトアンバー:
インセクトアンバーは、昆虫入りの琥珀をさします。こういった琥珀は、3000万年以上の時を経て大昔の姿をそのまま伝えています。
学術的にも珍重されるものも多く、生物学の分野では古代の生物の貴重な資料として、琥珀に含まれる昆虫を研究しています。
琥珀の見分け方
琥珀には見た目や感触で、似たような素材がいくつかあります。ガラスやフェノール樹脂、カゼインというたんぱく質の一種やプラスチックなどがそれにあたり、特にフェノール樹脂は滑らかで艶があり琥珀ととてもよく似ています。
琥珀が本物かどうか、比較的簡単に判断する方法としては、まず表面にエタノールなどのアルコールを垂らしてみることです。触ってみて、もしネバネバしたらニセモノの琥珀と考えて良いでしょう。また、上記で記したとおり、琥珀には塩水に浮くという性質があります。300mlの水にスプーン7杯の塩を入れ、水が濁らなくなったら琥珀を浮かべ、沈めばニセモノでしょう。