貨幣セットとは、各年度製造した記念コインや通貨がセットになって販売されたものです。新しく製造されたコインだけでなく、王位継承やオリンピックなどの大きな行事にまつわる記念コインセットも人気で、日本だけでなく各国それぞれ製造しています。日本国内では造幣局が製造していて、主に「ミントセット」「通常貨幣プルーフセット」「記念貨幣セット」「世界文化遺産貨幣セット」などがあります。
現在では、毎年多種多様な種類の貨幣セットが販売されており、造幣局の併設ショップ、通信販売、イベントでの販売などのルートで入手することができます。
☆「ミントセット」について
ミントセットとは毎年製造する硬貨6種類(1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉)の計666円と、発行年や干支が刻まれた干支図案年銘板の計7枚の硬貨が専用のケースに納められたセットの事です。日本では1969年から販売が開始され、当初は海外向けのセットとされていましたが、1975年には国内でも販売されました。干支図案年銘板のコインがミントセットに加わったのは1976年以降のことで、「ミントセット」という名前は1998年から使われているものです。それ以前ミントセットは「通常貨幣セット」と呼ばれていました。
ミントセットはその年の未使用硬貨が入手できるので、コレクターが購入することが多いですが、毎年発行されるセットの他に、スポーツ(プロ野球・国体など)や世界遺産、アニメ・漫画のキャラクターをモチーフにしたものもあり、それぞれのテーマのファンからの需要もあります。販売数も多く、全てに高い希少価値がある訳ではありませんが、日本で初めて発行された1969年(昭和44年)のものはかなり珍しいとされています。海外向けにごくわずかな数しか販売されなかったこともあり、歴史資料的な価値があるためです。
☆「プルーフセット」について
プルーフセットは、元々は流通用硬貨を作る前の試鋳硬貨のことでした。現在国内で発行されているものは、内容はミントセットと同じく計666円の6枚の硬貨と年銘板1枚のセットですが、収集家の鑑賞用に特殊な処理を施し、スクラッチ(擦り傷)やバッグマーク(当り傷)のない、コインの地肌が鏡面処理された硬貨セットになっています。日本では記念通貨のプルーフ貨幣のほか1987年から、この通常貨幣のプルーフセットが販売されています。
このプルーフセットもミントセットと同じく発行枚数が多いため、希少価値は高くはありませんが、中でも発行が始まった1987年(昭和62年)のものは、発行数は多いですが発行初年度の品ということで、プレミアが付いています。